少額特例により、基準期間の課税売上高が1億円以下又は特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、令和5年10月から令和11年9月までの間、税込1万円未満の課税仕入れについてインボイスの保存がなくとも、一定事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除ができる。
少額特例の内容
少額(税込1万円未満)の課税仕入れについては、インボイス(適格請求書)の保存がなくとも、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができる。取引先が適格請求書発行事業者であるかどうかは関係せず、免税事業者からの仕入れであっても同様である(28改正法附則53条の2、30改正令附則24条の2、国税庁「少額特例(一定規模以下の事業者に対する事務負担の軽減措置の概要)の概要」、確認日: 2026-08-02)。少額特例は、インボイスの保存を不要とするものであり、適格請求書発行事業者側の交付義務が免除されるものではない。適格請求書発行事業者は、課税事業者から求められればインボイスを交付する必要がある(同資料、確認日: 2026-08-02)。
対象となる事業者
基準期間における課税売上高が1億円以下、又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者が対象となる。ここでいう基準期間とは個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度、特定期間とは個人事業者については前年1月から6月までの期間、法人については前事業年度開始の日以後6か月の期間をいう。消費税の計算方法における原則課税と簡易課税の制度判定基準で扱う納税義務の判定とは異なり、特定期間における金額要件は課税売上高でのみ判定し、給与支払額の合計額による代替判定はできない(国税庁「少額特例の概要」、確認日: 2026-08-02)。
適用期間
少額特例の適用対象期間は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までである。この期間内に行う課税仕入れが対象となるため、課税期間の途中であっても令和11年10月1日以後に行う課税仕入れは少額特例の対象外となり、仕入税額控除を受けるためには原則としてインボイスと一定の事項を記載した帳簿の保存が必要になる(国税庁「少額特例の概要」、確認日: 2026-08-02)。この期間は、インボイス経過措置|控除率スケジュールで扱う免税事業者等からの仕入れに係る仕入税額控除の経過措置とは対象・要件の異なる別の措置である。
税込1万円未満の判定単位
税込1万円未満に該当するかどうかは、一回の取引に係る課税仕入れの金額(税込み)で判定し、課税仕入れに係る商品ごとの金額では判定しない。国税庁が示す例では、5,000円の商品と7,000円の商品を同時に購入した場合(合計12,000円)は少額特例の対象とならない。月まとめ請求の場合も、月単位の合計額で判定する(国税庁「インボイスQ&A『少額特例』における1万円未満の判定単位」、確認日: 2026-08-02)。
帳簿の記載事項
少額特例の適用を受けるために保存する帳簿には、課税仕入れを行った年月日、課税仕入れに係る支払対価の額、課税仕入れに係る資産又は役務の内容、課税仕入れの相手方の氏名又は名称を記載する。登録番号の記載は不要である(国税庁「少額特例の概要」、確認日: 2026-08-02)。この帳簿記載事項は、インボイス発行事業者の登録手続きフローで扱う登録番号の記載とは別の要件である。
根拠法令・原典の所在
| 項目 | 根拠・区分 | 原典 |
|---|---|---|
| 消費税法の条文 | 消費税法(昭和63年法律第108号) | e-Gov法令検索 |
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