この記事でわかること

消費税の納税義務は、基準期間における課税売上高が1,000万円以下でも、特定期間の課税売上高又はその期間に支払った給与等の金額が1,000万円を超えると免除されなくなり、消費税法9条および9条の2に基づき課税事業者として取り扱われることになる。

基準期間による判定(原則)

事業者は、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合、原則として消費税の納税義務が免除される。基準期間とは、個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合はその事業年度の前々事業年度をいう(消費税法第2条、第9条、国税庁タックスアンサーNo.6501「納税義務の免除」[令和7年4月1日現在法令等]、確認日: 2026-08-02)。この判定は、消費税の計算方法における原則課税と簡易課税の制度判定基準で扱う計算方式の選択とは別の論点であり、そもそも納税義務があるかどうかを決めるものである。

特定期間による判定(基準期間が1,000万円以下でも課税事業者になる場合)

平成25年1月1日以後に開始する年又は事業年度については、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合は納税義務が免除されない。特定期間とは、個人事業者の場合はその年の前年1月1日から6月30日までの期間、法人の場合は原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいう(消費税法第9条の2、国税庁タックスアンサーNo.6501、確認日: 2026-08-02)。

特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、その期間中に支払った給与等の金額の合計額により行うこともでき、どちらの基準で判定するかは納税者の任意である(消費税法施行規則第11条の2、国税庁「特定期間の課税売上高による免税事業者の判定」[令和7年8月1日現在の法令・通達等]、確認日: 2026-08-02)。なお、令和6年10月1日以後に開始する課税期間からは、国外事業者(所得税法上の非居住者である個人事業者および法人税法上の外国法人)について、給与等支払額による代替判定は行えない(国税庁タックスアンサーNo.6501、確認日: 2026-08-02)。

基準期間・特定期間の数値要件一覧

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区分 期間の範囲 金額要件 代替判定
基準期間(個人) その年の前々年 課税売上高1,000万円以下で原則免除 なし
基準期間(法人・事業年度1年) その事業年度の前々事業年度 課税売上高1,000万円以下で原則免除 なし
特定期間(個人) 前年1月1日〜6月30日 1,000万円超で課税事業者 給与等支払額でも判定可(国外事業者を除く)
特定期間(法人) 前事業年度開始の日以後6か月 1,000万円超で課税事業者 給与等支払額でも判定可(国外事業者を除く)

基準期間・特定期間以外で納税義務が免除されない場合

基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、次の場合には納税義務は免除されない。第一に、適格請求書発行事業者の登録を受けている場合である。第二に、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となっている場合である。第三に、基準期間がない事業年度でも事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である法人(新設法人)や、特定新規設立法人に該当する場合である(消費税法第9条、第12条の2、国税庁タックスアンサーNo.6501、確認日: 2026-08-02)。インボイス制度の基礎と2026年における実務対応要件の解説では、登録により課税事業者となる関係を扱っている。

再確認e-Gov 消費税法 第9条・第9条の2(1,000万円・特定期間) ↗中心的な記述を 2026-08-13 に原文で再確認
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