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軽減8%と1%で税額はどれだけ変わるか|品目別・売上規模別の比較計算機

飲食料品の軽減税率が8%から1%へ引き下げられた場合、売上税額は8分の1になります。簡易課税の納付税額は業種区分にかかわらず均一に8分の1へ減少し、本則課税では仕入れ側の適用税率との組み合わせによって税額計算が変わります。2026年8月5日の閣議決定基本方針に基づく試算を整理します。

算出に用いた税率と算式は、消費税法第29条・第30条・第37条および国税庁タックスアンサーNo.6509の規定によるものです。2026年8月5日の閣議決定基本方針(2027年4月から2年間の時限措置案)を前提としており、法案成立前の試算です。税額の有利不利の判定や選択の指導は含めていません。

現行8%と方針案1%の計算式を同一の構造に揃える

納付税額の算定構造は、現行の軽減税率8%と基本方針案1%のいずれも「課税売上に係る消費税額 − 課税仕入れ等に係る消費税額」という枠組みで共通しています。違いは売上税額および仕入税額に適用される税率の数値のみです。

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課税方式 現行8%の算式 基本方針案1%の試算式 税額の減少比率
簡易課税 売上高 × 8% × (1 − みなし仕入率) 売上高 × 1% × (1 − みなし仕入率) 一律で1/8(12.5%へ縮小)
本則課税(全額軽減仕入) (売上高 − 課税仕入高) × 8% (売上高 − 課税仕入高) × 1% 一律で1/8(12.5%へ縮小)
本則課税(仕入に10%混在) 売上高×8% − (軽減仕入×8% + 標準仕入×10%) 売上高×1% − (軽減仕入×1% + 標準仕入×10%) 仕入税額が売上税額を上回り還付の可能性あり

簡易課税制度を選択している事業者の場合、控除する仕入税額は売上税額に業種別のみなし仕入率を乗じて計算するため、売上高に対する納付税額は税率引き下げに比例して直接8分の1に縮小します。簡易課税の事業区分は第1種から第6種まで規定されています。

売上高と課税方式から税額の差額を算出する計算機

年間の飲食料品売上高(税抜)と、簡易課税のみなし仕入率または本則課税の仕入率を選択すると、現行8%と方針案1%におけるそれぞれの納付税額および差額が表示されます。

年間売上高(飲食料品・税抜金額)

仕入率区分(みなし仕入率または課税仕入れ率)

試算結果(基本方針に基づく試算)

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売上高と区分を選択してボタンを押すと、現行8%と方針案1%の税額比較が表示されます。

2026年8月5日閣議決定の基本方針に基づく試算です。法案成立前の規定であり、選択の当否は示しません。

売上規模別の納付税額は売上税額の減少に伴い直線的に縮小する

飲食料品の小売業(第2種事業・みなし仕入率80%)を基準とした場合、売上規模別の納付税額の変動は以下の数値になります。売上税額が8%から1%へ引き下げられることにより、納付税額も厳密に8分の1(12.5%)となります。

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年間売上高(税抜) 現行8%の納付税額 方針案1%の納付税額 納付税額の減少額
1000万円 16万円 2万円 14万円
3000万円 48万円 6万円 42万円
5000万円 80万円 10万円 70万円
1億円 160万円 20万円 140万円

売上高が1000万円の場合、現行8%での売上税額は80万円であり、みなし仕入率80%を引いた納付税額は16万円です。1%試算では売上税額が10万円となり、納付税額は2万円へ低下します。差額は14万円です。売上規模が3000万円では差額42万円、5000万円では差額70万円、1億円では差額140万円となります。納付税額の計算については2割特例・簡易課税・本則課税の納税額比較シミュレータでも方式別の計算式を取り扱っています。

簡易課税では業種区分にかかわらず税額減少率は8分の1で均一になる

簡易課税制度においては、第1種事業から第6種事業まで異なるみなし仕入率が設定されています。しかし、税率8%と税率1%の比較においては、みなし仕入率の数値にかかわらず、納付税額の減少率はすべて一律8分の1(12.5%)となります。

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事業区分 みなし仕入率 売上3000万円(8%) 売上3000万円(1%) 減少額
第1種事業(卸売業) 90% 24万円 3万円 21万円
第2種事業(小売業) 80% 48万円 6万円 42万円
第3種事業(製造業等) 70% 72万円 9万円 63万円
第4種事業(飲食店業等) 60% 96万円 12万円 84万円

例えば第3種事業(製造業等・みなし仕入率70%)で売上高3000万円の場合、現行8%の納付税額は72万円(240万円 × 30%)です。方針案1%では売上税額が30万円となり、納付税額は9万円(30万円 × 30%)になります。差額は63万円です。売上高5000万円の場合、現行8%では120万円、方針案1%では15万円となり、差額は105万円となります。事業区分を変更または選択不適用とする場合は、簡易課税をやめる届出の期限計算に定める課税期間の制限に従います。

本則課税で標準税率10%の経費が多い場合は控除不足額が生じる

本則課税を適用する事業者が飲食料品を販売する場合、売上高に対する税率は1%であるのに対し、仕入れや経費の一部に標準税率10%が適用される品目が存在します。

具体的には、食品の包装容器資材、店舗や工場の水道光熱費、配送運賃、備品消耗品などは標準税率10%が適用されます。飲食料品の売上税額が1%へ低下した結果、仕入税額控除の合計額が売上税額を上回る逆転現象が発生し、消費税の控除不足額(還付税額)が生じる計算構造になります。

例えば、飲食料品売上高が1000万円(税率1%・売上税額10万円)の事業者が、店舗設備や消耗品等の標準税率10%の経費を200万円(税抜・仕入税額20万円)支出した場合、売上税額10万円から仕入税額20万円を控除すると差引10万円の控除不足額となり、申告により還付を受ける計算となります。

適用予定期間と法案成立に向けた公表状況

飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げる基本方針は、2026年8月5日の閣議決定において整理されました。公表資料において示されている対象品目および適用期間の枠組みは以下のとおりです。

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項目 公表されている基本方針の内容 現行制度における規定
対象品目 食品表示法に規定する食品(酒類を除く飲食料品) 消費税法第2条第1項第10号の2(軽減税率対象品目)
適用税率 消費税率1%(国税0.78%、地方消費税0.22%) 消費税率8%(国税6.24%、地方消費税1.76%)
予定期間 2027年4月から2年間(時限措置案) 恒久措置として現行規定
法案の状況 税制改正法案の国会提出前(基本方針の決定段階) 現行法として施行中

仕入に10%経費が含まれる複合取引はこの計算機では出ない

本計算機は売上高および仕入税額控除の双方が飲食料品単一の税率に連動する前提、または簡易課税のみなし仕入率に基づく単一区分での算定に限定されます。そのため、標準税率10%の経費が混在する複合仕入れの計算には対応していません。

実際の事業活動において、仕入れや経費に標準税率10%の品目が混在する場合や、飲食料品以外の課税売上(酒類の販売、飲食設備の利用料など)を併せて計上している事業者については、税率別の税額計算および仕入税額控除の按分計算が必要となるため、本計算機の単一算式では算出できません。また、仕入税額控除の個別対応方式や一括比例配分方式の選択判定はできません。

2026年8月5日に閣議決定された基本方針は税制改正法案の成立前のものであり、国会での法案審議および公布される改正法の本則・附則の規定によって、端数処理の規定や経過措置の設計が変更される場合があります。

原典対応表

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記載事項 根拠法令・原典資料 原典確認日
消費税の税率・仕入税額控除・簡易課税 消費税法(第28条、第29条、第30条、第37条) 2026年9月28日
簡易課税制度の事業区分とみなし仕入率 国税庁 タックスアンサー No.6509 2026年9月28日
軽減税率制度の対象品目 国税庁 タックスアンサー No.6102 2026年9月28日

数値は国税庁およびe-Gov法令検索の公表資料で2026年9月28日に確認しています。

【記事情報】本記事は税制に関する公表資料および法令の構造化整理を目的としており、税理士法に定める個別の税務相談または申告指導を行うものではありません。税理士の監修を受けていません。実際の申告および税額算定にあたっては、所轄税務署または税理士にご確認ください。

【記事情報】
公開 / 更新
2026-09-28 / 2026-10-04
監修
監修者は置いていない。運営者が原文と照合して掲載
免責
公表済みの法令・Q&Aの事実を確認日時点で整理したもの。個別の事案への適用の可否・選択の助言は含まない
AI利用
下書きと表の整形に生成AIを利用。公開前に運営者が原文と照合