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簡易課税をやめる届出の期限計算|2年の継続適用と効力を失う課税期間

簡易課税をやめる届出書は、簡易課税が始まった課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間に入るまで提出できない。消費税法第37条第5項から第7項をもとに、提出できる最も早い日・提出期限・簡易課税が外れる課税期間の3つを出す。

消費税簡易課税制度選択不適用届出書の提出期限は、簡易課税をやめようとする課税期間の初日の前日である。ただし、簡易課税が適用された最初の課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、この届出書はそもそも提出できない。効力を失うのは提出した日の属する課税期間の末日の翌日であり、期の途中で簡易課税が外れる形は条文にない。根拠は消費税法第37条第5項・第6項・第7項。

条文の原文はe-Gov法令検索の消費税法で読める。以下の日付計算はすべて第37条の記載による。

届出書に書く日付は2つあり、どちらも課税期間の初日である

消費税法施行規則第17条第2項が定める不適用届出書の記載事項は4つ。届出者の氏名又は名称及び納税地、法第37条第1項に規定する翌課税期間の初日の年月日、法第37条第7項に規定する課税期間の末日の翌日の年月日、その他参考となるべき事項である。

日付欄は2つあり、前者は簡易課税が適用された最初の課税期間の初日、後者は簡易課税が外れる課税期間の初日にあたる。前者が入力で、後者が出力になる。2年の制限も提出期限も、この2つの日付の間だけで決まり、届出書を書いた日も税務署の受付日も式には入らない。

最初の課税期間の初日と末日を入れると3つの日付が出る

簡易課税が適用された最初の課税期間の初日

その課税期間の末日

最短で簡易課税から外れるための提出期限

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提出できる最も早い日と、簡易課税が外れる課税期間の初日がここに出る。

条文の日付計算だけを出す。やめるかどうかの判断は示さない。

効力を失うのは提出した日の属する課税期間の末日の翌日

効力を失うのは 提出した日の属する課税期間の末日の翌日

第37条第7項は「その提出があつた日の属する課税期間の末日の翌日以後は、第一項の規定による届出は、その効力を失う」と書いている。提出した課税期間の中では効力が続き、翌課税期間の初日にはじめて外れる。国税庁が示す提出時期「適用をやめようとする課税期間の初日の前日まで」は、この規定を提出する側から言い直したものにすぎない。

簡易課税が外れる課税期間の初日 = 届出書を提出した日が属する課税期間の末日の翌日

課税期間の初日から数えて早く出しても、遅く出しても、同じ課税期間の中であれば結果は動かない。同じ「届出書を出す」手続でも日付の数え方はそろっておらず、インボイス登録の取消しが効力を生じる時期は課税期間の初日を基準に別の起算方法で決まる。

2年の起算日は届出書を出した日ではなく、簡易課税が始まった課税期間の初日

第37条第6項は、事業を廃止した場合を除き「同項に規定する翌課税期間の初日から二年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ」不適用届出書を提出できないとする。「同項に規定する翌課税期間」は第1項が定める、選択届出書の効力が及ぶ最初の課税期間である。選択届出書を提出した日でも、税務署から連絡が来た日でもない。

2年を経過する日 = 簡易課税が適用された最初の課税期間の初日 + 2年 − 1日

暦年が課税期間で、2026年1月1日から簡易課税 2年を経過する日は2027年12月31日。提出できるのは2027年1月1日からで、2027年12月31日までに出せば2028年1月1日開始の課税期間から外れる
最初の課税期間が2026年4月1日から2026年9月30日までの6か月 2年を経過する日は2028年3月31日。その日が属する課税期間は2027年10月1日に始まるため、提出期限は2028年9月30日、外れるのは2028年10月1日から

上の行では提出できる期間がちょうど1課税期間ぶんの窓になっているのに対し、下の行では窓の始まりが3つ目の課税期間までずれ込む。最初の課税期間が1年に満たないと、2年を経過する日が2つ目の課税期間を飛び越えるためである。設立第1期が1年に満たない法人はこの形になり、暦年の感覚で数えると1課税期間ずれる。

本則課税で申告した課税期間があっても、選択届出書の効力は残っている

基準期間における課税売上高が5,000万円を超えた課税期間は、簡易課税制度を適用できない。免税事業者になった課税期間も同じである。しかし国税庁タックスアンサーNo.6505の注意事項によれば、その後の課税期間で基準期間における課税売上高が1,000万円を超え5,000万円以下となったときは、その課税期間の初日の前日までに不適用届出書を提出している場合を除き、再び簡易課税制度が適用される。

本則課税で申告書を作ってから、その課税期間が簡易課税だったと気づく形になる。

売上が5,000万円を挟んで上下している事業者では、適用が止まっていた期間も第6項の2年は進んでいる一方、届出書を出さない限り選択の効力そのものは消えない。戻ってくるのは事業区分ごとのみなし仕入率による計算である。

事業を廃止したときと災害のときは2年の制限が外れる

第6項の制限には「事業を廃止した場合を除き」という書き出しが付いている。事業廃止の届出は2年の経過を待たない。

災害の側は第37条の2第6項が受け持つ。災害その他やむを得ない理由による被害で簡易課税の適用を受ける必要がなくなり、所轄税務署長の承認を受けたときは、第5項の届出書を不適用被災課税期間の初日の前日に提出したものとみなされ、第6項は適用されない。申請書の名称は「災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」で、提出は災害等のやんだ日から原則2か月以内。対象になる課税期間は消費税法施行令第57条の3が3つの要件で絞っており、そのうち1つを選ぶ形になる。被災事業者の消費税の届出特例は、告示で指定された地域について期限そのものを動かす別の仕組みである。

災害に当たらない事情で期限までに出せなかった場合は、消費税法施行令第57条の2第2項が承認による救済を用意している。承認を受ければ、やめようとする課税期間の初日の前日に提出したものとみなされる。申請書はその事情がやんだ後相当の期間内に提出することとされ、日数の定めは置かれていない。

課税期間を短縮している場合と税率引下げに伴う特例は、この日付計算に入っていない

上の計算は、最初の課税期間の末日の翌日から1年ずつ課税期間が続く前提で組んである。課税期間を短縮する届出をしている事業者では区切りが変わるため、自分の課税期間の初日と末日を並べ直してから第6項を当てる必要がある。

調整対象固定資産や高額特定資産を取得したときの制限も、この計算には現れない。第37条第3項が3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日まで提出を止めているのは「第一項の規定による届出書」、つまり簡易課税を選ぶ側の届出書であって、やめる側の届出書ではないためである。

2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の譲渡について消費税率が引き下げられ、これに伴って簡易課税制度選択不適用届出書の提出時期の特例が設けられる予定になっている。国税庁と財務省の消費税率引下げ特設サイトは、掲載内容が大綱に示された改正案であり、法案が国会に提出され可決・成立した場合のものだと記している。飲食料品の譲渡を行う事業者がこの期間をまたぐ課税期間の日付を出すときは、成立後の条文で確かめ直すことになる。

原典対応表

節 原典 確認日
届出の義務・効力を失う日・2年の制限・やむを得ない事情の特例 消費税法第37条第1項・第3項・第5項〜第8項(令和8年4月1日施行・e-Gov法令検索) 2026-09-21
災害等があった場合のみなし提出・承認申請の期限 消費税法第37条の2第2項・第6項・第7項(e-Gov法令検索) 2026-09-21
やむを得ない事情による承認・災害等の対象課税期間の要件 消費税法施行令第57条の2第2項・第3項、第57条の3第1項(令和8年9月1日施行・e-Gov法令検索) 2026-09-21
不適用届出書の記載事項 消費税法施行規則第17条第2項(令和8年9月1日施行・e-Gov法令検索) 2026-09-21
提出時期・様式・提出先 国税庁 D1-23 消費税簡易課税制度選択不適用届出手続 2026-09-21
5,000万円超・免税となった後に簡易課税が戻る取扱い 国税庁 タックスアンサーNo.6505 簡易課税制度(令和8年4月1日現在法令等) 2026-09-21
災害等の特例承認申請書の名称と提出期限 国税庁 タックスアンサーNo.6632(令和8年4月1日現在法令等) 2026-09-21
税率引下げに伴う提出時期の特例が改正案の段階であること 国税庁・財務省 消費税率引下げ特設サイト 2026-09-21

【記事情報】

消費税法第37条届出と効力

・免責事項: 本記事は公開・更新時点の法令・公的資料に基づき、一般的な制度解説として編集しています。計算はすべてお使いのブラウザ内で行われ、入力された日付が外部へ送信されることはありません。個別の税務判断は税務署または税理士へご確認ください。

・AI利用: 本記事は生成AIを用いて原典から構成し、公開前に一次資料と照合しています。

・監修: 本記事は税理士等の監修を受けていません。掲載しているのは原典に書かれている要件と効果であり、解釈・評価・助言は行いません。