【令和8年分】源泉徴収税額の計算機|月額表・甲欄の告示算式と乙欄の3区分
月額表の甲欄の税額は、財務省告示の別表第一〜第四で算式として計算できる(所得税法189条)。乙欄に算式があるのは105,000円未満と1,710,000円超の両端だけで、中間の範囲は月額表の行を引く。令和8年分は扶養親族等の数の数え方が変わった。
月額表の甲欄の税額は、表を引かずに算式でも出せる。所得税法第189条が、給与計算を事務機械で処理している支払者について、財務大臣が告示する方法で代えることを認めているためである。令和8年分の告示は別表第一から別表第四までの4枚で、社会保険料等控除後の金額から給与所得控除・基礎控除・扶養控除等を引いた課税給与所得金額に税率を当てる。乙欄にはこの算式が無く、105,000円未満と1,710,000円超の両端だけが算式で書かれている。
令和8年分の源泉徴収税額表は令和7年度税制改正を織り込んで作り直されており、国税庁は令和7年分以前の給与にこの表を使わないよう注記している。扶養親族等の数の数え方も変わった。条文の原文はe-Gov法令検索の所得税法で読める。
別表第一・第三・第二を引いてから別表第四に当てる
令和8年分の告示は平成24年3月31日財務省告示第116号(令和7年4月30日財務省告示第123号改正)で、令和8年分の税額表18ページに収録されている。告示が定める順序は決まっている。その月の社会保険料等を控除した後の給与等の金額をAとして、別表第一で給与所得控除の額を、別表第三で基礎控除の額を、別表第二で配偶者(特別)控除と扶養控除または特定親族特別控除の額を求め、3つを合計してAから引く。残額が課税給与所得金額Bで、これを別表第四に当てはめる。
| 別表第一 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額A | 給与所得控除の額 |
|---|---|
| 158,333円以下 | 54,167円 |
| 158,334円から299,999円 | A×30%+6,667円 |
| 300,000円から549,999円 | A×20%+36,667円 |
| 550,000円から708,330円 | A×10%+91,667円 |
| 708,331円以上 | 162,500円 |
1円未満の端数は切り上げる。最低額の54,167円を12倍すると650,004円になる。給与所得控除の最低保障額は令和7年度税制改正で55万円から65万円へ引き上げられている。
| 別表第三 その月の社会保険料等控除後の給与等の金額A | 基礎控除の額 |
|---|---|
| 2,120,833円以下 | 48,334円 |
| 2,120,834円から2,162,499円 | 40,000円 |
| 2,162,500円から2,204,166円 | 26,667円 |
| 2,204,167円から2,245,833円 | 13,334円 |
| 2,245,834円以上 | 0円 |
別表第二は2行しかない。配偶者(特別)控除の額が31,667円、扶養控除の額または特定親族特別控除の額が31,667円×源泉控除対象親族の数である。配偶者の分も親族の分も同じ31,667円なので、この算式では源泉控除対象配偶者が居るかどうかを分けて入れる必要がなく、扶養親族等の数の合計だけで控除額が決まる。
給与額・社会保険料等・扶養親族等の数を入れると課税給与所得金額と税額が出る
その月の給与等の金額
控除する社会保険料等の金額
扶養親族等の数
月額表の甲欄・電算機計算の特例による税額
—
告示の別表第一から別表第四までの算式だけを表示します。どの方法を選ぶべきかは示しません。
課税給与所得金額162,500円までは税率5.105%の一段だけ
別表第四の最初の段は 課税給与所得金額 = 162,500円 まで
別表第四は7段に分かれ、最初の段はBに5.105%を乗じるだけで控除額が無い。次の段からはB×10.210%−8,296円という形になり、最後の段はB×45.945%−408,061円である。税額に10円未満の端数があるときは四捨五入する。この端数処理は表の注に書かれている。
課税給与所得金額B = 社会保険料等控除後の給与等の金額A − 別表第一の給与所得控除 − 別表第三の基礎控除 − 31,667円×扶養親族等の数
税額 = B × 別表第四の率 − 別表第四の控除額
国税庁の設例では、月額表が7,020円で告示の算式が6,990円になる
税額表19ページから22ページの「給与所得の源泉徴収税額の求め方」には設例が載っている。給与等の支給額420,000円、社会保険料等63,400円、扶養親族等の数2人。社会保険料等控除後は356,600円で、月額表の「356,000円以上359,000円未満」の行と甲欄の2人の欄が交わるところに7,020円と書かれている。
同じ数字を告示の別表に当てると、給与所得控除107,987円、基礎控除48,334円、別表第二の63,334円を引いて課税給与所得金額は136,945円。5.105%を乗じると6,991.04円で、10円未満を四捨五入して6,990円になる。差は30円である。
| 356,000円(行の下端) | 告示の算式では6,970円 |
|---|---|
| 356,600円(設例の金額) | 告示の算式では6,990円。月額表は7,020円 |
| 358,999円(行の上端) | 告示の算式では7,090円 |
月額表は3,000円幅の1行に1つの税額を割り当てる。告示の算式は入力した金額そのものを使う。両者が一致するのは、行に割り当てられた税額と算式の答えがたまたま重なる金額だけで、行の下端と上端では120円ほど開く。所得税法第189条は「代えることができる」と書いており、同じ額になるとは書いていない。
乙欄に算式があるのは105,000円未満と1,710,000円超の両端だけ
扶養控除等申告書の提出が無い人に支払う給与は乙欄を使う。月額表そのものは平成24年3月31日財務省告示第115号別表第一(令和7年4月30日財務省告示第122号改正)で、令和8年分の税額表1ページから7ページに載る。乙欄について告示の別表第一から別表第四までに相当する算式は置かれていない。月額表の乙欄の列に、算式で書かれた欄が両端に2つあるだけである。
| 社会保険料等控除後の金額 | 乙欄の税額 |
|---|---|
| 105,000円未満 | その金額の3.063%に相当する金額 |
| 105,000円から1,710,000円 | 算式の定めなし。月額表の該当行を引く(105,000円以上107,000円未満なら3,800円、356,000円以上359,000円未満なら71,900円) |
| 1,710,000円超 | 655,400円に、1,710,000円を超える金額の45.945%を加算した金額 |
「従たる給与についての扶養控除等申告書」の提出があるときは、上の欄で求めた税額から扶養親族等1人ごとに1,610円を控除する。乙欄の中間の範囲は、行の幅ごとに税額が刻まれた表そのものが根拠であり、算式に置き換えることができない。
令和8年分から扶養親族等の数は源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の合計になった
甲欄の欄は扶養親族等の数の0人から7人までに分かれている。この「扶養親族等の数」は、源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族の合計数である。令和7年分以前は源泉控除対象配偶者と控除対象扶養親族の合計だった。源泉控除対象親族には、控除対象扶養親族に加えて、令和8年中の所得の見積額が58万円超123万円以下の特定親族のうち見積額100万円以下の人が入る。特定親族特別控除は令和7年度税制改正で創設され、令和8年1月以後に支払う給与から各月の源泉徴収に反映される。
本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に該当するときは、該当するごとに数に1人を加算する。同一生計配偶者や扶養親族のうちに障害者または同居特別障害者が居るときも、該当するごとに1人を加算する。別表第二にはこれらに対応する行が置かれていないため、加算後の数を扶養親族等の数として31,667円を掛けることになる。
数が7人を超えると月額表には欄が無くなり、7人の場合の税額から1人ごとに1,610円を控除する。告示の別表第二には人数の上限が無い。なお、別表第三の最大額48,334円を12倍すると580,008円で、合計所得金額655万円以下の場合に基礎控除へ加算される37万円・30万円・10万円・5万円に対応する行は別表第三に置かれていない。
半月ごとの支払は月額表の税額の2分の1、旬ごとは3分の1になる
所得税法第185条第1項第1号は、支給期に応じて月額表の使い方を変えている。毎月払いはそのまま甲欄の税額。半月ごとに支払う場合は金額を2倍して甲欄を引き、その税額の2分の1。旬ごとは金額を3倍して3分の1。月の整数倍の期間ごとなら、月割額で甲欄を引いてその倍数を乗じる。日払いと週払いは月額表ではなく日額表の甲欄を使う。
納付は支払月の翌月10日、承認を受けると7月10日と1月20日にまとまる
源泉徴収した所得税と復興特別所得税は、原則として給与を実際に支払った月の翌月10日までに納める。給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することで、1月から6月までの分を7月10日、7月から12月までの分を翌年1月20日にまとめて納められる。却下の通知が無ければ、申請書を提出した月の翌月末日に承認があったものとみなされ、提出した月の翌月に源泉徴収する分から適用される。納付期限が土曜日・日曜日・祝日に当たるときは、その休み明けの日が期限になる。
納付書を税務署の窓口へ持ち込む場合、総合窓口の受付時間は2026年10月から午前9時〜午後3時に変わる。
日額表・賞与・年末調整の再計算はこの算式では出ない
告示が置いているのは月額表の甲欄の別表だけである。日額表の甲欄・乙欄・丙欄、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表、退職所得の速算表は、それぞれ別の表であって別表第一から第四には対応していない。日雇賃金に使う丙欄も同じである。
各月に源泉徴収した税額の合計と、その年の税額との差は年末調整で精算される。基礎控除の加算額や特定親族特別控除の年額分は、月々の徴収額の中では完結しない。災害で住宅や家財に損害を受けた場合には、雑損控除とは別に災害減免法による源泉徴収の徴収猶予と還付の経路があり、見積額500万円以下という要件と手続きが定められている。給与以外に事業所得がある人は年末調整では終わらず、確定申告で青色申告特別控除の要件判定に進む。
給与計算ソフトがどの方式で税額を出しているかは製品ごとに異なる。年末調整の機能差については、姉妹サイトのけいりにfreee人事労務とマネーフォワードクラウド給与の比較がある(けいりは当サイトと同じ運営者による媒体)。
原典対応表
| 節 | 原典 | 確認日 |
|---|---|---|
| 特例の根拠・甲欄と乙欄の区分・支給期による調整 | 所得税法第185条・第189条 | 2026-09-07 |
| 別表第一〜第四の算式と端数処理 | 財務省告示第116号(税額表18ページ) | 2026-09-07 |
| 月額表の甲欄と乙欄の税額・1,610円の控除 | 月額表(税額表1〜7ページ) | 2026-09-07 |
| 設例の7,020円・扶養親族等の数の算定方法 | 税額の求め方(税額表19〜22ページ) | 2026-09-07 |
| 令和8年分の税額表の適用範囲 | 令和8年分 源泉徴収税額表 | 2026-09-07 |
| 給与所得控除65万円・基礎控除の加算額・特定親族特別控除 | 国税庁 基礎控除の見直し等 | 2026-09-07 |
| 税額表の使用区分と扶養親族等の数の定義 | タックスアンサー No.2511 | 2026-09-07 |
| 納付期限・納期の特例・承認のみなし | タックスアンサー No.2505 | 2026-09-07 |
- 公開 / 更新
- 2026-09-07 / 2026-09-27
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- 監修者は置いていない。運営者が原文と照合して掲載
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- AI利用
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