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電子帳簿保存法におけるスキャナ保存の要件と実務での導入フロー

対象は重要書類と一般書類の2区分

スキャナ保存制度とは、取引先から紙で受領した領収書、請求書、納品書などの国税関係書類を、スマートフォンやスキャナで画像データとして読み取り、紙の原本を廃棄して保存することを認める制度です。

対象となる書類は、重要書類(資金の流動に直結する領収書、契約書、請求書など)と、一般書類(見積書、注文書など)に分類されます。手書きの領収書やレシートも、画像化して所定の要件を満たせば紙の原本を廃棄できます。

要件は解像度・カラー、入力期限、タイムスタンプ、検索機能に分かれ、一般書類には一部の緩和があります。

解像度は200dpi以上、階調は24ビットカラー以上

スキャナ保存を行う画像データは、原本と同等の視認性を確保するため以下の解像度・色彩要件を満たす必要があります。

  • 解像度: 200dpi以上(A4サイズで約200万画素相当以上)
  • 階調: 24ビットカラー(フルカラー)以上(※一般書類はグレースケールも可)
  • 大きさ情報: 書類の受領から入力までの受領者等の情報を保持すること

近年のスマートフォンカメラで撮影した写真であれば、解像度要件は十分にクリアできますが、ピンボケや光の反射で文字が読めない状態になっていないか撮影時に確認することが求められます。

スマートフォンアプリ経由で撮影する場合、アプリ側の解像度制限や圧縮処理によって、200dpi相当を下回る画像になることがあります。

入力期限は「速やかに」か「業務処理サイクル後」の二択

紙の書類を受領してからスキャナで読み取り、タイムスタンプを付与(またはログ保存システムへ格納)するまでの期限が定められています。

原則として、書類を受領してから「速やかに(おおむね7営業日以内)」入力するか、または社内の「業務処理サイクル(最長2ヶ月とおおむね7営業日以内)」のいずれかの運用を選択します。

月次決算の締めに合わせてまとめてスキャン保存を行う場合は、「業務処理サイクル(最長2ヶ月とおおむね7営業日以内)」の運用規程をあらかじめ定めておく必要があります。

出張や直行直帰が多い営業社員でも、領収書を受領したその場で撮影・アップロードする運用であれば、7営業日以内の入力期限に収まります。

あわせて確認: 会計基準・税法改正の施行日タイムライン

訂正・削除の履歴が残るシステムはタイムスタンプに代えられる

データ改ざんを防止するため、スキャンデータには付与した日時を証明する「タイムスタンプ」を付与することが求められます。

ただし、訂正・削除の履歴が自動的にログとして残る「国税庁認定のクラウドストレージ(JIIMA認証システム等)」を利用している場合、タイムスタンプの付与に代えることが認められています。

認証を受けた会計SaaSや経費精算システムを使う場合、ユーザー側で個別にタイムスタンプ契約を結ぶ必要はありません。

JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)の認証を受けたシステムでは、税務調査時の要件確認手続が簡素化されます。

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画像を確認した段階で紙の原本を即時廃棄できる

要件を満たしたスキャナ保存を行った書類は、スキャン後に紙の原本を廃棄することが可能となります。裏返すと、解像度や入力期限の要件を満たしていない画像は、スキャン後も紙の原本を廃棄できない書類として残ります。

定期検査(タイムスタンプ付与後の原本との照合)の要件が緩和されたため、スキャンしたデータをシステム上で確認し、入力漏れや不鮮明な画像がないことが確認できた段階で即時廃棄を行う運用も可能となりました。

ただし、社内のチェックフローと管理責任者を定めないまま運用すると、未スキャンの重要書類を廃棄する事故が起こりえます。

即時廃棄をとらない場合は、月次の決算締め時に経理部門が画像チェックを行ってからシュレッダー廃棄する「二段階チェック運用」という形もあります。

あわせて確認: 電子取引データの保存要件と検索機能

折れ・破れと影の入った画像の扱い

Q1: 領収書の折れや破れがある場合、そのままスキャンしても大丈夫ですか?
A: 文字や金額が視認できる状態であれば問題ありません。破れた部分をセロハンテープで補修したうえで、200dpi以上でスキャン・撮影を行います。

Q2: スマホで撮影した画像に影が入ってしまいましたが要件を満たしますか?
A: 数字や取引先名などの記載事項が明瞭に読み取れれば問題ありません。不鮮明で読めない場合は再撮影が必要になります。

※ 経理システムの選定および比較の観点は、会計SaaS徹底比較ガイド(bizkeiri)にあります。

あわせて確認: 電子帳簿保存法 電子取引データの保存要件

導入の工程はシステム選定・社内規程・撮影マニュアル・試行・本運用の5つ

スキャナ保存を導入すると、社内の領収書保管スペースと経費精算業務の紙が減ります。

工程は、システム選定、社内規程の作成、従業員向け撮影マニュアルの配布、試行運用、本運用開始の5ステップに分かれます。

原典対応表

本サイトは制度の解釈・評価・助言を行いません。判断が必要な場合は原典を確認し、必要に応じて管轄の税務署または税理士にご相談ください。

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項目 根拠・区分 原典 確認日
根拠法令 電子帳簿保存法 第四条第三項 e-Gov法令検索 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号) 2026-09-27
対象書類・重要書類と一般書類の区分 国税庁 電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】(令和8年7月) 国税庁 電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】(令和8年7月) 2026-09-27
解像度200dpi・24ビットカラー・入力期限 電子帳簿保存法施行規則 第2条(平成十年大蔵省令第四十三号) e-Gov 電子帳簿保存法施行規則(スキャナ保存の要件) 2026-09-27
タイムスタンプ・原本廃棄の取扱い 電子帳簿保存法取扱通達(令和7年6月27日改正分まで) 国税庁 電子帳簿保存法取扱通達(スキャナ保存の取扱い) 2026-09-27

電子取引データの保存要件と横断比較は別ページにある

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【記事情報】
公開 / 更新
2026-07-20 / 2026-10-04
監修
監修者は置いていない。運営者が原文と照合して掲載
免責
公表済みの法令・Q&Aの事実を確認日時点で整理したもの。個別の事案への適用の可否・選択の助言は含まない
AI利用
下書きと表の整形に生成AIを利用。公開前に運営者が原文と照合